はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり、ぢっとソースを見る…
『ITエンジニア脱ジリ貧の七つのポイント』第7回目「投資」のお話です。

どうも。ozです。

あるエンジニアから聞いた話ですが、その会社では年に1度社員旅行が行われるそうです。ある年は土日を使って弾丸沖縄ツアーに行ったそうです。社員全員で。
社長は「連れてきてやった」と言う態度。直近でトラブル等のあった社員に対しては「お前は連れて行かん」などと言うこともあったそうです。

さて、この旅行代はどこから出ているのでしょうか?

本題に戻ります。
第6回「利益」では少し過激なことを書きましたが、会社にとって利益は血液のようなものです。
利益がなければ会社は生きていくことができません。
社員がジリ貧にもかかわらず不当な利益を貪る経営者を許すことはできませんが、売上に対して給与が少ないからと言って、かならずしもブラック企業と言う訳ではありません。

今回は、「投資」と言うテーマで利益の使われ方のお話をしていきます。

「投資」と言えば株式投資などをイメージされる方が多いと思いますが、今回の話はそれではありません。

これは一般論ですが、支出には3つの種類があると言われます。「消費」「浪費」「投資」です。
「消費」は、日々生活していく上で欠かせないモノの購入や使用料。
「浪費」は、必要以上の贅沢や、無駄な出費。
「投資」は、後々リターンが見込まれる投資費用。

何が言いたいのかと言うと、エンジニアが生み出した利益が適切な形で「投資」されているのかと言うこと。上に書いたように「リターンが見込まれる」お金の使い方です。
今、給与がすこし少なくても、将来たくさんもらえるなら、まだ納得もできますよね。そのためにお金を使うことが「投資」です。
製造業等で言う設備投資のようなものですね。

リターンが見込まれるかどうかの判断は正直なところ難しいですし、どんな優秀な経営者でも数多くの失敗をします。
海外展開に投資、自社システム開発に投資、採用に投資…程度は違えどいずれもリスクが高くリターンがあるかどうかはわからないものの、これも投資です。

ところが、2年たっても3年たっても成果が出ない場合はどうでしょうか。
実はわれわれの業界では、こんなケースが山のようにあります。

投資した結果にどれほど拘っているのか、会社の姿勢をよく観察してみて下さい。

会社の利益をどう使おうが経営者の勝手だ、と言わんばかりの経営者をたくさん見てきました。
冒頭の社員旅行の社長もそのひとりです。
利益の配分は、もちろん経営者の仕事ではありますが、どのように使っているのかを観察するのは社員の仕事です。

前回までにお話してきた人件費や利益の話とあわせて考えてみてください。ひとりひとりのエンジニアが大きな利益を残している。
にもかかわらず、会社の投資がうまくいっていないとか、飲み代や旅行代などの「浪費」にばかりつぎ込んでいる場合、
ジリ貧の原因はそこにあるのかも知れません。

知り合いの会社で、社長が独断で東南アジアの某都市に支社を作り、事務所を借り、現地の人を2人雇いました。
確かに人件費は安い(たしか6~7万円)のですが、その2人を日本でのビジネスと同じように現場に出してしまいました。
利益率は10%程、日本円にして7000円/人です。その状態が4年続きました。社長は毎月、日本と某都市を往復していました。

これは投資と言えるでしょうか。

飲み会をする、旅行をする、事務所を移す、採用活動をする、製品をつくる…様々なシーンで会社のお金がでていくところを見ると思います。
そのすべてを「このお金は生きた使われ方をしているのか」と言う眼で見てみてください。経営者の考え方が見えてくると思います。
その上で、ナイなと思った場合は行動は早い方が良いと思います。

ここまで7回にわたり、「ITエンジニア脱ジリ貧の七つのポイント」をお伝えしてきました。当たり前のことばかりですが、これらは私が実際に見てきたものばかりです。
現在、ITのエンジニアが不足しているのは、過重労働もさることながら、それに見合った収入が見込めないことも原因です。
多重下請け構造の中で、リスクを抱えない経営者が楽をして、新規開拓をしない営業が楽をする。結果としてそのツケが実際にモノを作っているエンジニアにまわっています。
このような異常な事態から脱するために、エンジニア自身が状況を理解し、改善しようと努力する必要があります。

ひとりでも多くのエンジニアの方々に業界の構造や問題点を理解していただき、より豊かなエンジニアライフを過ごしていただけるよう願っております。

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